『ぼくらの7日間戦争』がアニメ映画で復活!あらすじを詳しく解説!

ぼくらの7日間戦争

ぼくらの七日間戦争とは?

”ぼくらの七日間戦争”とは、1985年4月に刊行された宗田理氏による小説です。

中学一年生の菊地英治を含むクラスの男子生徒たちが、夏休みを前に忽然と姿を消してしまいます。

集団誘拐されたのではと教師や親たちは不安がりますが、実は彼らはある計画のために荒川にある廃工場に立て籠もっていたのでした。その計画とは外にいる女子生徒たちの助けを借りてラジオ放送を流すというもの。

 

英治たちは全学共闘会議を模して廃工場を”解放区”と呼び、自分たちを校則で抑圧する教師や勉強を押し付ける親に対して反旗を翻したのでした。

当初は反抗期の子どもたちによる大掛かりなイタズラ、と教師や親は見ていました。

 

 

しかしこの犯行に参加するはずだった男子生徒・柿沼直樹が何者かに誘拐されてしまいます。

英治たちは廃工場で出会った老人・瀬川卓蔵を仲間に加え、柿沼直樹救出作戦を立てるとともに、自分たちを連れ戻そうとする親や教師たちを相手に戦うのでした。

舞台が今より30年以上も前ということで、学校の体制や教師、親、子どものあり方は現在とは大きく異なっています。

 

たとえば今では教師が少しでも手を上げればすぐに体罰だと糾弾されますが、当時は生徒に言うことを聞かせるために竹刀で叩いたりするといったことは日常的にありました。

また学校側の力も強く、生徒たちはしばしば理不尽な校則や強権的な教師に押さえつけられる…といったこともあったようです。

そんな時代だからこそ英治たちは大人に対抗し、解放区立て籠もりという作戦を企てたのでした。

作中、数度にわたる説得が失敗し、教師たちはついに廃工場に乗り込んでいくのですが、力では敵わない子どもたちは工場に様々な仕掛けを施して撃退します。

迷路を作り、クイズを出題し、罠をしかけ……このあたりの子どもが知恵を働かせて大人をやり込めるシチュエーションは、映画”ホームアローン”を観ているようで痛快の一言。

そうしてタイトルにもあるように彼らは解放区で七日間を戦いぬき、柿沼直樹の救出と大人たちへの抵抗を見事成功させるのでした。

 

なお、本著の成功により宗田理氏は以後、25年にわたって次々と続編を発表していきました。

二作目は”ぼくらの天使ゲーム”、三作目は”ぼくらの大冒険”という具合に、タイトルは全て「ぼくらの~」となっていることから、””ぼくらシリーズ”などと呼ばれています。

設定や時系列はひと続きであり途中、英治たちは高校生、そして成人へと成長していきます。

その人気は高く、1988年、1991年には実写映画化されています。

 

アニメ映画”ぼくらの7日間戦争”はオリジナルに見えて原作準拠……?

2019年12月13日公開予定のアニメ映画”ぼくらの7日間戦争”は、原作をベースとしたオリジナルストーリーとなっています。

タイトルの表記が”七”から”7”に改められていることが、新たな物語であることを示唆しています。

舞台は2020年、東京から北海道へと移り、それにともなって登場人物も一新。

主人公は鈴原守という少年です。

いつも本ばかり読んでいる彼にとって、話し相手は同じ歴史マニアが集うチャットのメンバーくらいでした。

彼は幼馴染の千代野綾に恋心を抱いていましたが、彼女は議員である父親の都合で東京へ引っ越すことになってしまいます。

引っ越しは1週間後。

奇しくもその日は綾の誕生日の目前。

 

「せめて17歳の誕生日はこの街で迎えたかった」

切なる想いを口にする彼女に、一緒に逃げよう、と守は言うのでした。

いわゆる駆け落ちを思い描いていた守でしたが、どういうわけか綾の親友・山咲香織や緒形壮馬、阿久津紗希、本庄博人といった面々が加わり、彼らは使われていない石炭工場を秘密基地として立て籠もります。

キャンプさながらの逃避行でしたが、工場にはマレットというタイ人の子どもが潜んでいました。

不法滞在者として入国管理局に追われていたマレットは、はぐれた家族を探しているのだといいます。

その翌日、マレットを連れ戻そうと武装した入国管理局局員が工場への突入を試みます。

守たちはマレットを、そして秘密基地である工場を守るために立ち上がる――というお話です。

原作では子どもたちが親や教師に反抗したのに対し、本作では敵対する大人のスケールに大きな差異が見られます。

 

つまり綾の父親と入国管理局という、きわめて個人的な敵と制度そのものを相手にするというアンバランスさです。

守としては大人と戦うというよりも綾と一緒にいたい、という個人的な想いから工場に立て籠もる策を立てただけであり、そもそもは戦いですらありませんでした。

そこにマレットという人物が加わったことで入国管理局が相手となり、隠れ家だった工場が文字どおり基地となり、大人たちとの戦いを繰り広げていく――。

 

この”当所の予定にない敵が現れる”という流れはオリジナルのように見えて、実は原作の誘拐犯の登場を意識した作りになっています。

また局員がなだれ込んでくるというのも、説得に失敗して痺れを切らせた教師たちが突入するシーンと重なります。

おそらく守たちも様々な仕掛けや罠を施して大人たちに抗うでしょう。

その攻防は果たしてどのように決着するのでしょうか……?

 

原作では見事に7日間を戦いぬき、英治たちは勝利を収めました。

しかし本作では1週間後に綾が引越しをすることが決まっています。

つまり戦いを終えたところで守にとっては勝利とはなりません。

それでも敢然と立ち向かう守に、私たちは子どもだった頃の無鉄砲で向こう見ずなかつての自分を重ねることでしょう。

人は誰しも子どもでした。

しかしやがて大人になり、子どもの頃を忘れてしまうものでもあります。

すっかり忘れてしまった思い出を取り戻しに今冬、劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

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